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2013年03月09日
相続の事が少しずつ分かるいいお話54 『特別受益②』
本日は、『特別受益②』について、お話させていただきます。
1.特別受益の範囲
特別受益として持戻しの対象となる財産は、『遺贈』又は『婚姻、養子縁組のための贈与』もしくは『生計の資本としての贈与』です。
生前贈与について一定の限定が加えられた理由は、前記のような趣旨に基づく贈与であれば相続分の前渡しの趣旨で行われたものと通常見うること及び前記に該当しない少額の贈与まで含めると計算が煩雑となって面倒だからということになります。
①遺贈
遺贈はその目的にかかわりなく、すべて持戻しの対象となります。
②生前贈与
特別受益として持戻しの対象となる贈与であるか否かの設定は、当該生前贈与が相続財産の前渡しとみられる贈与であるか否かを基準にしながら相続人間の公平を考慮して判断されるべきであるとされています。
.『婚姻、養子縁組のための贈与』
持参金、嫁入り道具、結納金、支度金など婚姻又は養子縁組のために特に被相続人に支出してもらった費用がこれにあたるということに異論はありません。
葬式費用につきましては、これに含まれるという見解と含まれないという見解がありますが、通常の葬式費用は含まれないと解する見解が有力です。
.『生計の資本としての贈与』
『生計の資本』とは一般にかなり広い意味に解されています。
典型的な事例である子が別の世帯をもつ際に不動産を分与した場合や営業資金を贈与した場合、農家において農地を贈与した場合などに限らず、生計の基礎として役立つような贈与は一切これに含まれるとされており、相当額の贈与は特別な事情がない限りすべてこの特別受益とみて差し支えないとさえいわれています。
ただし、あくまで『生計』の基礎となるものに限られ、ある子だけが特別に可愛がられて小遣銭を多くもらったというような場合は、これに含まれないとされています。
また、扶養のために付与された財産も、扶養は義務の履行であって贈与ではないから、特別受益とはなりません。
教育費も、高校程度では通常これに含まれませんが、子の1人だけが大学教育を受けそのための学資を受けているような場合には、特別受益に当たると解されています。
もっとも、教育費が特別受益に当たるか否かは、被相続人も生前の資産収入及び家庭事情等具体的状況により異なり、審判では、肯定例も、否定例もあります。
.生命保険金と死亡退職金
これらは純粋な意味での相続財産には含まれません。
しかし、その効果において遺贈と同様の機能を有するため、遺産分割にあたっては特別受益に準じてこれらの持戻しを考慮すべきではないかということが実務上しばしば問題となります。
学説上は、相続人間の実質的公平を重視して、持戻しの対象となると解する見解が多数のようですが、審判例は分かれています。
例えば、生命保険金や国家公務員の死亡退職金についての実質的公平の見地から特別受益にあたるとしたもの、保険料の支払等被相続人の生存中その財産から何らかの出損があることなどを理由として生命保険金及び死亡退職金について特別受益にあたるものとしたものなど肯定審判例がある一方、生命保険金や死亡退職金は文理上特別受益に該当しないこと、これらは生活保障のために付与されるものであるからこれを相続分とは別に取得しても公平に反しないのみならず被相続人の通常の意思に沿うと思われることなどを理由に特別受益にあたることを否定した審判例もあります。
以上、『特別受益②』について、お話させていただきました。
次回は、『特別受益③』について、お話させていただきます。
荒木不動産コンサルティングFP事務所は、相続対策やライフプランの作成、生命保険の見直し、住宅ローン等のご相談の他、土地活用や不動産売却等の不動産コンサルティングのご相談も承っております。
ご相談希望のかたは、まずは、メールか電話でご連絡ください。
初回は、無料で、ご相談内容の概要をお聞かせいただきます。
無料相談後に、その後のご相談内容やご提案内容、お見積金額についてお話させていただきます。
その業務内容とお見積金額でご検討いただき、ご納得いただけましたら業務委託契約書を締結させていただきます。
業務委託契約後締結前に、費用は発生しませんので、ご安心ください。
相続支援業務につきましては、『相続支援ネット』に所属し『つくばエリア』を担当しています。
『相続支援ネット』とは相続の各専門家(税理士、司法書士、弁護士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、建築士)とコワーク(協働)を組み、お客様が的確な相続を実現するためのアドバイスと支援をご提供する相続専門家集団です。
なお、生命保険コンサルティングにつきましては、『FPアソシエツ&ファイナンシャルサービシーズ』に生命保険募集人として所属しています。
『FPアソシエツ&ファイナンシャルサービーシーズ』は、FPとしての視点で、事業承継継対策や財務体質改善、相続対策、ライフプランにおける保険の見直し等、あらゆる問題解決のための保険活用のご提案をさせていただいております。
そのFPの視点の経験を活かした生命保険活用のコンサルティングをご提供させていただきます。
電話:029-851-6334 メール:info@arakifp.com HP:http://www.arakifp.com/(相続支援あらき検索)
1.特別受益の範囲
特別受益として持戻しの対象となる財産は、『遺贈』又は『婚姻、養子縁組のための贈与』もしくは『生計の資本としての贈与』です。
生前贈与について一定の限定が加えられた理由は、前記のような趣旨に基づく贈与であれば相続分の前渡しの趣旨で行われたものと通常見うること及び前記に該当しない少額の贈与まで含めると計算が煩雑となって面倒だからということになります。
①遺贈
遺贈はその目的にかかわりなく、すべて持戻しの対象となります。
②生前贈与
特別受益として持戻しの対象となる贈与であるか否かの設定は、当該生前贈与が相続財産の前渡しとみられる贈与であるか否かを基準にしながら相続人間の公平を考慮して判断されるべきであるとされています。
.『婚姻、養子縁組のための贈与』
持参金、嫁入り道具、結納金、支度金など婚姻又は養子縁組のために特に被相続人に支出してもらった費用がこれにあたるということに異論はありません。
葬式費用につきましては、これに含まれるという見解と含まれないという見解がありますが、通常の葬式費用は含まれないと解する見解が有力です。
.『生計の資本としての贈与』
『生計の資本』とは一般にかなり広い意味に解されています。
典型的な事例である子が別の世帯をもつ際に不動産を分与した場合や営業資金を贈与した場合、農家において農地を贈与した場合などに限らず、生計の基礎として役立つような贈与は一切これに含まれるとされており、相当額の贈与は特別な事情がない限りすべてこの特別受益とみて差し支えないとさえいわれています。
ただし、あくまで『生計』の基礎となるものに限られ、ある子だけが特別に可愛がられて小遣銭を多くもらったというような場合は、これに含まれないとされています。
また、扶養のために付与された財産も、扶養は義務の履行であって贈与ではないから、特別受益とはなりません。
教育費も、高校程度では通常これに含まれませんが、子の1人だけが大学教育を受けそのための学資を受けているような場合には、特別受益に当たると解されています。
もっとも、教育費が特別受益に当たるか否かは、被相続人も生前の資産収入及び家庭事情等具体的状況により異なり、審判では、肯定例も、否定例もあります。
.生命保険金と死亡退職金
これらは純粋な意味での相続財産には含まれません。
しかし、その効果において遺贈と同様の機能を有するため、遺産分割にあたっては特別受益に準じてこれらの持戻しを考慮すべきではないかということが実務上しばしば問題となります。
学説上は、相続人間の実質的公平を重視して、持戻しの対象となると解する見解が多数のようですが、審判例は分かれています。
例えば、生命保険金や国家公務員の死亡退職金についての実質的公平の見地から特別受益にあたるとしたもの、保険料の支払等被相続人の生存中その財産から何らかの出損があることなどを理由として生命保険金及び死亡退職金について特別受益にあたるものとしたものなど肯定審判例がある一方、生命保険金や死亡退職金は文理上特別受益に該当しないこと、これらは生活保障のために付与されるものであるからこれを相続分とは別に取得しても公平に反しないのみならず被相続人の通常の意思に沿うと思われることなどを理由に特別受益にあたることを否定した審判例もあります。
以上、『特別受益②』について、お話させていただきました。
次回は、『特別受益③』について、お話させていただきます。
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『相続支援ネット』とは相続の各専門家(税理士、司法書士、弁護士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、建築士)とコワーク(協働)を組み、お客様が的確な相続を実現するためのアドバイスと支援をご提供する相続専門家集団です。
なお、生命保険コンサルティングにつきましては、『FPアソシエツ&ファイナンシャルサービシーズ』に生命保険募集人として所属しています。
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