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Posted by つくばちゃんねるブログ at
本日は、『相続財産の範囲と評価④』について、お話させていただきます。

1.債務

①金銭債務
.相続人は、被相続人の死亡により、同人の有している財産上の権利のみではなく義務をも承継します。
したがって、金銭債務をも承継することはいうまでもありません。

.ただ、相続人が複数いる場合には、この債務をどのように承継するのかが問題となります。

この点、判例は一貫して、金銭債務のような可分債務は、遺産分割を経ることなく、その相続分に応じて各共同相続人が承継するとしています。

しかし、このように考えますと、相続人の中に無資力の者がいたりすると、債権の回収が困難となり、相続という偶然の事情で一方的に債権者が不利になるのではないかという問題もあります。

このような場合には、財産分離や破産制度を利用することによって、その不利益を除去する手段がありますので、判例の立場がそれほど不当とはいえません。

.金銭債務については、分割債務と考えるとそもそも遺産分割の対象とならないことになります。実務上も同様に取り扱われています。

②保証債務

.通常の保証債務は、その保証債務の額が明確になっており、通常の金銭債務と同様に相続の対象となります。

.しかし、継続的取引から債務者が将来負担する債務を連帯して保証した場合が問題となります。

この点、判例は、責任限度額と保障期間の定めがない保証契約の場合には、その相続性を否定しようとしています。

.また、身元保証の場合も、上記の場合と同様にその相続性は否定されています。

以上、『相続財産の範囲と評価④』についてを、お話させていただきました。

次回は、『相続財産の範囲と評価⑤』について、お話させていただきます。


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Posted by 荒木財産FP at 07:40Comments(0)相続情報
本日は、『相続財産の範囲と評価③』についてを、お話させていただきます。

1.退職金

①労働者が労働契約の継続中に退職し、退職金を受領してから死亡した場合には、通常の相続財産として扱えば足ります。

問題となりますのは、労働者が労働契約の継続中に死亡し、退職金が支給される、いわゆる死亡退職金の場合です。

すなわち、死亡退職金は被相続人の死亡を契機として発生するところから、相続財産に包含されるかどうかが問題となります。

.受給権者が法律条例等によって定められている場合

この場合、死亡退職金も相続財産に含まれ、受給権者の指定は、あくまでも受取人代表者を定めたにすぎないとする見解もあります。

しかし、判例は、受給権者が法律等で定まっている場合、その物固有の権利であり、相続財産には包含されないとしています。

さらに、私企業の死亡退職金につき、退職金規定(内規)により受給権者が定まっている場合にも、その定められた者固有の権利であって、相続財産に包含されないとしています。

.退職金規定に受給権者が定まっていない場合

この場合は極めて問題であり、学説・判例ともまだ定説は無いようです。

ただ、規定がない場合でも、理事会の決議により配偶者に支給された場合には、受給権者固有の権利であるとする判例はあります。

通常、死亡退職金については法律等で受給権者が定められていますが、これは遺族の生活保護として定められているものです。この点からしますと、規定がなくても、相続財産とするのではなく、生計を共にしていた遺族固有の権利と解するのが、本来の趣旨にかうのではないかと思われます。

この点、受給権者が定まっていない以上は、相続人が取得するべきであるという見解もあります。

②次に、死亡退職金について受給権者固有の権利であると考えた場合に、持戻しが認められるべきかが問題となります。

この点につきましては、肯定する審判例と否定する審判例があります。

個々の事案によって、共同相続人間と受給権利者との生活保障の調和の観点から考えるべきと考えます。

2.遺族年金

これは、死亡退職金と同様に受給権者の固有の権利と考えられます。

そして、持戻しも認めるべきでないと考えらるようです。遺族年金は、死亡退職金よりもさらに受給権者の最低の生活保障という趣旨が強いものでありますから、上記のように考えるべきのようです。

以上、『相続財産の範囲と評価③』についてを、お話させていただきました。

次回は、『相続財産の範囲と評価④』についてを、お話させていただきます。



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Posted by 荒木財産FP at 05:45Comments(0)相続情報
本日は、『相続財産の範囲と評価②』について、お話させていただきます。

1.賃借権

①賃借権も財産上の権利である以上、相続財産に含まれます。

②賃借権の相続における問題点は、借家人が死亡した場合に、この賃借人と同居していなかった相続人がこの賃借権を相続し、この結果、借家人と同居していた内縁の配偶者が、住居を奪われるのではないかという点です。

この点に関しましては、判例は、あくまでも賃借権は相続人に帰属することを認めたうえで、内縁の配偶者などの同居人は、相続人が取得した借家権を援用し居住の継続を主張しうるとという見解に立っています。

実務上は、判例理論が定着していますが、この見解は、居住の利益は同居人に、賃借権に伴う権利義務は相続人に帰属することとなりますので、若干の問題は残ることとなりえます。

2.損害賠償請求権

①被相続人の有体財産についての損害賠償請求権は、財産上の権利であり、これが相続の対象となることは明らかです。

②これに対し、生命侵害による損害賠償請求権については、民法が被相続人の一身専属権を相続の対象からはずしていることから問題となります。

特に、生命侵害に伴う慰謝料請求につきましては、精神的苦痛が極めて主観的なものであることから、一身専属権として相続の対象とならないのではないかとも考えられます。
過去の判例では、最高裁の慰謝料請求権も相続の対象になるとしたものがあります。

3.生命保険金

①生命保険金請求権は、その取得が、死亡の原因とする点で相続と類似するが、保険契約で受取人を個別的に定めることができるという点で相続人が規定されている相続の場合と異なります。

②そこで、以下のとおり場合を分けて検討します。

.保険金の受取人として特定人(妻あるいは夫)が指定されている場合
この場合、生命保険契約は第三者のためにする契約であるから、その契約の効果として、受取人が生命保険契約請求権を自分の固有の権利として取得します。
したがって、この場合には相続財産に包含されないこととなります。

.保険金の受取人を単に『相続人』とした場合
この点につきましては、相続財産に含まれると考える見解もありますが、この場合の表示は、保険契約者の相続人たるべき個人を表示するものにすぎず、相続財産に包含されないと考えるべきです。

.このように、生命保険金請求権を生命保険金受取人の固有の権利であるとすると、保険金受取人は、これとは別個に、他の共同相続人と共に相続財産からも遺産分割を受けることとなります。こう解すると、生命保険金が高額になっている現在の状況から、生命保険金の受取人となった相続人があまりにも有利となり、相続人間の衡平を欠くこととなります。

これを、調整する方法が、持ち戻しであり、保険金を持ち戻しとした審判例もあります。
また、持ち戻しの対象とされたものは、当然遺留分算定の基礎財産に算入され、減殺の対象となります。

以上、『相続財産の範囲と評価②』についてを、お話させていただきました。

次回は、『相続財産の範囲と評価③』についてを、お話させていただきます。


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Posted by 荒木財産FP at 09:35Comments(0)相続情報
本日は、『相続人の確定⑥』の予定でしたが『相続財産の範囲と評価①』についてを、お話させていただきます。

Ⅰ.相続財産に包括される権利

1.各種債権

①一般金銭債権

◇被相続人が死亡して相続が開始すると、相続人は、被相続人の一身に専属したものを除き、被相続人の財産に属した一切の権利義務を包括的に承継します。

一般金銭債権も被相続人の財産に属する権利なので、相続財産に抱含されることは当然となります。

しかし、相続人が複数いる場合には、遺産分割がなされて初めて、各相続人に対する遺産の最終的な帰属が決まります。


◇そこで、相続開始後遺産分割までの間、金銭債権はどのような形態で共同相続されるのかが問題となります。

この点、共同相続人の取得する債権は、合有的に帰属するという見解や遺産分割によって最終的な配分が決まるまで性質上不可分債権となるという見解もあります。

しかし、判例は一貫として、金銭債権は分割債権であり、相続開始とともに法律上当然に分割され、各相続人はその相続分に応じる権利を承継するという見解をとっています。

この判例の考え方によれば、預金債権などの場合、各相続人が、被相続人の預金のうち自己の相続分について個々の払い戻しを請求し得ることになります。

しかし、銀行の実務上の取扱いとしては、相続人全員の同意書をとって、全員に払戻しをしているケースがほとんどのようです。


◇次に、金銭債権を可分債権であると考えた場合に、そもそも金銭債権は遺産分割の対象となるのかが問題となります。

前述のような判例の見解に立つ以上、金銭債権は当然に分割され、遺産分割の対象とならないとするのが理論的であると言えます。

しかし、共同相続人間の衡平という見地から考えると、金銭債権も含めて遺産分割をする必要がある場合もあります。

このような観点から、金銭債権も遺産分割の対象として考えるというのが、実務の運用となります。

銀行の実務上の取扱いでも、遺産分割後は、分割協議書ないし家庭裁判所の分割に関する調書又は審判の謄本の提出を求めたうえで預金の払い戻しに応じています。

以上、『相続財産の範囲と評価①』についてを、お話させていただきました。

次回は、『相続財産の範囲と評価②』についてを、お話させていただきます。


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Posted by 荒木財産FP at 08:53Comments(0)相続情報
本日は、『相続人の確定⑤』について、お話させていただきます。

Ⅰ.相続分の移動

1.相続分の譲渡

相続人の身分自体は、もちろん他人に譲渡できるものではありません。

しかし、相続人が有する割合的相続分は財産的価値を有します。

したがって、相続人の意思により相続分を譲渡できると考えられます。

また実際、遺産分割は何時でもできるとはいえ、時間のかかることが少なくなく、相続人にとって早期に相続財産を換価しなければならない場合が生じます。そこで、民法も相続分の譲渡ができることを前提とする規定を設けています。

ここで、相続分の譲渡とは、あくまでも割合としての相続分を譲渡するもので、個々の相続財産の持分を集合的に一括して譲渡するものとは異なります。

すなわち、例えば、A,B、C、Dとあった場合、それぞれの中での相続分に相当する共有持分を譲渡するのではありません。相続分の譲渡は、譲受人が、譲渡人たる相続人に代わって、その相続分に基づき遺産分割に参加できるようになる事です。

以上、相続人の確定⑤』についてを、お話させていただきました。

次回は、『相続人の確定⑥』についてを、お話させていただきます。


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Posted by 荒木財産FP at 10:03Comments(0)相続情報
本日は、『相続人の確定④について』を、お話させていただきます。

Ⅰ.共同相続人本人以外の者(財産管理人等)が遺産分割協議に現れる場合

1.相続人の行方不明

共同相続人の一部について、生存は明らかだが行方不明となっており、調査を尽くしてもその所在が行方不明となっており、調査を尽くしてもその所在が判明しない場合には、その者を不在者として手続きを進めることとなります。

不在者が自らその財産の管理人を置いている場合は稀となりますので、共同相続人は、利害関係人として財産管理人の選任を家庭裁判所に求める事になります。この場合の管轄は、不在者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てることになります。

この場合、遺産分割協議は財産管理人を交えて行うことになりますが、財産管理人は協議の成立にあたり、協議事項につき家庭裁判所の許可を得なければなりません。

2.相続人の生死不明

共同相続人中に不在者がいて、その不在者の生死が不明で失踪宣言の要件を備えている場合には、利害関係人すなわち不在者の配偶者、法定相続人など失踪宣言を求めるにつき法律上の利害関係を有する者は、不在者の住所地の家庭裁判所に失踪宣告の申立をすることができます。

失踪宣告の結果、不在者は死亡したものとみなされ、不在者について相続が開始します。不在者に相続人がいることが、明らかな場合には当該相続人が、また相続人のあることが明らかでないときは、家庭裁判所で選任された相続財産管理人が、それぞれ遺産分割協議の当事者となります。

相続財産管理人は、不明者の財産管理人の場合と同様に、遺産分割協議の成立にあたり協議事項につき家庭裁判所の許可を得なければなりません。

3.相続人が未成年者である場合

共同相続人中に未成年者がいる場合には、その法定代理人たる親権者が、未成年相続人に代わって遺産分割協議を行うことになりますが、次の場合には利益相反行為となるため、特別代理人の選任を要します。

①親権者と未成年者とが共に共同相続人であり、親権者が未成年者の代理人としても遺産分割協議を行う場合

②親権者を同じくする複数の未成年相続人がいて、当該親権者がそれぞれの未成年者の代理人として遺産分割協議を行う場合

登記実務においては、上記①②いずれの場合にも特別代理人の選任を要求しています。
したがって、前期①の場合、親権者は、子である未成年者相続人のために特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません。また、②の場合、親権者は、その子である複数の未成年相続人のうちの一人の代理はできますが、その他の未成年者については、特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません。

4.相続人に胎児がいる場合

胎児は、相続人については、既に生まれたものとみなされます。従って、被相続人の死亡時にいまだ出生していなくても、出生したら相続人として遺産分割の当事者となります。

ただし、胎児が死体で生まれたときはこの規定は適用されませんので、遺産分割の当事者に胎児がいる場合に出生を待たずにした遺産分割協議は、その後に相続人の一部を欠いたものとして無効となります。

以上、『相続人の確定④について』を、お話させていただきました。

次回は、『相続人の確定⑤』についてを、お話させていただきます。


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Posted by 荒木財産FP at 11:34Comments(0)相続情報
本日は、『相続人の確定③』についてを、お話させていただきます。

1.相続人の地位が争われる場合

(1)具体例

相続人の地位及び範囲について争いとなる場合には、相続欠格事由の存否や推定相続人廃除事由の存否が争いとなる場合や、婚姻や養子縁組、離婚、離縁、認知などの効力をめぐり、被相続人との身分関係が争点となる場合などがあります。

このようなときは、これらの前提問題が解決するまで、実施上、遺産分割協議を成立させられないことになります。

前提問題に争いがある場合は、次の二つに分けられます。

①戸籍関係書類によって相続人たることが証明できる者のほかに、のちに相続人が加わる可能性がある場合(離婚や離縁の無効を主張して自分が相続人たる地位にあることを主張する者がいる場合など。)

離婚・離縁無効の主張が認められないことが、誰の目からも明らかだというようなときには、その者を除いて分割協議を作成することも事実上、不可能ではないし、またそれに基づく移転登記などもできるでしょう。しかし、すでに、その者から相続人たる地位を前提に、遺産分割審判などの申立てをしている場合や相続人たる地位の確認を求める訴訟が提起されている場合には、必ずしもそうはいきません。

なお、相続開始後に認知によって相続人になった者は、すでに他の共同相続人により分割その他の処分がなされていた場合には、価格のみによる支払の請求権を有します。

そこで、相続人の地位や範囲に争いがある場合のうち、のちに相続人が加わる可能性がある争いのとき、とりあえず争いの対象者を除いて遺産分割協議を行い、問題が解決し、後に争いの対象者である相続人の資格が確認されたときは、民法910条を類推適用して価格による請求をさせられないかが問題となります。

この点について、母の死亡による相続につき、遺産の分割その他の処分後に、共同相続人である子の存在が明らかになった事実において、最高裁は民法784条但し書き、910条の類推適用を否定しています。したがって、当事者たるべき相続人の一部を除外してなされた遺産分割は、民法910条の場合を除いて無効となると言わざるを得ません。

②次に、戸籍関係書類によって相続人であることを証明できる者に対して、相続人たる地位にないことを主張する者がいる争いの場合、すなわち婚姻や養子縁組、認知の無効などを主張して、のちに相続人が減少したり後順位者が相続人になる可能性のある場合があります。この場合には、争いの当事者を含めて遺産分割協議が成立することはないと思われます。

以上、『相続人の確定③』についてを、お話させていただきました。

次回は、『相続人の確定④』についてを、お話させていただきます。


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Posted by 荒木財産FP at 06:04Comments(0)相続情報
本日は、『相続人の確定②』についてを、お話させていただきます。

1.法定相続分

各相続人の法定相続分は次の通りとなります。

(1)共同相続人が配偶者と子である場合には、配偶者及び子の相続分は各2分の1です。昭和55年の改正前は、配偶者及び子の相続分は、それぞれ3分の1、3分の2とされていましたので注意を要します。

子が複数いるときは、各自の相続分は相等しいものとされますが、子のなかに非嫡出子がいれば、その相続分は2分の1とされます。

この非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1とする規定が、法の下の平等を定めた憲法14条に違反しないかについては従来より議論があります。過去の判例によりますと最高裁はこの規定は憲法14条に反しないとの判断を繰り返しています。

代襲相続人の相続分は、被相続人の子・・・つまり・・・代襲相続人の親・・・の法定相続分と同じとなります。代襲相続人が複数いる場合には、各代襲相続人の親が受けるべきであった相続分について、上記の子が複数いるときと同様の方法でそれぞれの相続分を算出します。

(2)共同相続人が配偶者と直系兄弟姉妹である場合には、配偶者の相続分は3分の2であり、直系尊属の相続分は3分の1となります。
直系尊属が複数いるときは、各自の相続分は相等しいものとされます。

(3)共同相続人が配偶者と兄弟姉妹である場合には、配偶者の相続分は4分の3であり、兄弟姉妹の相続分は4分の1となります。兄弟姉妹が複数いるときは、その相続分は相等しいとされますが、このなかに父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹があるときは、その相続分は父母の双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1とされます。

代襲相続人の相続分は、被相続人の子・・・つまり・・・代襲相続人の親・・・の法定相続分と同じとなります。代襲相続人が複数いる場合には、各代襲相続人の親が受けるべきであった相続分について、上記の子が複数いるときと同様の方法でそれぞれの相続分を算出します。

2.相続放棄

相続放棄がなされると、その者は初めから相続人とならなかったものとみなされます。
例えば、推定相続人が配偶者と2人の子がある場合に、子のうちの1人が放棄をすれば、配偶者と放棄をしなかった子とが共同相続人となり、それぞれの法定相続分は各2分の1となります。

ところで、放棄によって次順位の者が相続人となる場合があります。例えば、推定相続人が配偶者と一人の子である場合に、その子が放棄をすれば、初めから子がいなかったのと同様となり、相続人は配偶者と直系尊属(直系尊属がいなければ兄弟姉妹)となります。
なお、相続放棄の申述が家庭裁判所で受理された場合、相続放棄申述受理証明書の交付を受けることができ、これは登記手続の際の添付書類となります。

3.相続欠格と推定相続人の廃除

民法891条所定の事由(相続人の欠格事由)に該当するものは、相続人となることができません。

なお、相続人欠格事由の一つである遺言書の破棄・隠匿行為については、同条項の趣旨が遺言に関し著しく不当な干渉行為をした相続人に対して民事上の制裁を課そうとすることにあるから、相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは、当該行為をした相続人は相続欠格者に当たらないとする最高裁の判断が示されています。

また、一定の事由(被相続人に対し虐待をし、もしくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又はその他の著しい非行があったとき)に該当する推定相続人がいる場合に、被相続人が家庭裁判所に請求することにより推定相続人廃除の審判がなされるときは、被廃除者は相続人となることができません。なお、推定相続人の意思表示は、遺言でなすこともできます。

相続欠格該当者ないし被廃除者に子がいる場合は、その子は代襲相続人となり、相続の当事者となることができます。この点で相続の放棄と効果が異なります。

以上、『相続人の確定②』についてを、お話させていただきました。

次回は、『相続人の確定③』についてを、お話させていただきます。



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Posted by 荒木財産FP at 09:18Comments(0)相続情報
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荒木不動産コンサルティングFP事務所
代表 荒木達也
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