本日は、『相続税対策②』について、お話させていただきます。

1・遺産分割

(1)遺産分割の重要性

前回のご説明は、相続税が課される人のみを対象とした話でした。しかし相続税の課せられる人は死亡した人の全体からみれば20人に1人以下と極めて少数派なのです。ただし、円満な相続(遺産分割)は、相続税の課されない大多数の人にも共通した極めて重要な課題です。
 
一つの例としまして、相応の資産価値を有する老夫婦の敷地に長男夫婦が両親の面倒を見る形ですむ一方、弟や妹は外に出ているというケースにおいて、主な資産がこの敷地だけという場合を考えてみましょう。両親の死後には、おそらく考えられるのは次のようなケースとなるでしょう。しかし、果たしてこれでよいのか?という問題です。

①長男が土地を相続。他の二人の相続財産はゼロ。

②兄弟妹の三人で、土地を共有で相続。長男夫婦がそのまま住み続ける。

③この土地を売却し、代金を三人で配分。長男はその資金等で小さい家(マンション)に買い換える。

どれをとっても、あまり芳しくないように思います。(この中では①がベター。とにかく②はお勧めできません)。何とか事前(第一次相続開始の10年以上前の段階)に手を打っておきたいものです。もしうまい手がないのであれば、皆で事前にどの方針でいくか、分配するのであればその比率をどうするのか、等について何らかの合意がほしいところです。それさえあれば、各相続人やその家族は、前もって精神的な心づもりや金銭的準備ができるからです。

(2)代償分割の利用
 
上記(1)の例の解決のヒントとなるのが代償分割です。代償分割とは、『長男が土地を単独で相続する代わり(代償として)、長男の固有資産である金銭を弟と妹に各1000万円ずつ支払う』といったものです。(これは土地の売買ではありません。代償分割はあくまで遺産分割のひとつとして民法が定めている手法ですから、妙な税は課されません)。
 
問題は、長男側にいくらの資金負担能力があるか、です。兄弟間に信頼関係が確保されていれば、代償金は長期の年賦払いも可能です。このように、長男の支払能力に応じた合理的な代償金を収受した以上、両親の面倒をみた長男が土地を一人占めしても、弟と妹は納得するのではないかと考えられるのです。
 
代償分割は、このような解決策に止まらず、相続手続きの便法(例えば、多くの金融機関に預けられた多種多様な預金はすべて配偶者がまとめて相続し、その代償として、他の相続人に代償金を払うことにする、等)や譲渡所得税の将来的な節税策としての利用も可能です。
 
遺産分割の問題は、代償分割の応用方法のいかんによってかなり解決できる余地があるように思われるのです。

以上、『相続税対策②についてお話させていただきました。

次回は、『相続税対策③』について、お話させていただきます。



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Posted by 荒木財産FP at 10:42│Comments(0)相続情報
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