本日は、『銀行預金の名義変更のポイント②』として、ケース④~⑦までのポイントについて、お話させていただきます。


ケース④ 家庭裁判所の調停による遺産分割決定後に申し出る場合

共同相続人の協議が整わないとき、または行方不明者などがあって遺産分割協議ができないときは、共同相続人は共同してまたは1人で、家庭裁判所に遺産の分割の申し立てることができます。
家庭裁判所は、まず調停委員の立ち会いのもとで『調停』にかけ、相続人全員の合意が成立すれば、合意のとおりの調停調書が作成され確定判決が下されます。
調停が成立しないときは『審判』による分割を行うこととなります。
審判は、裁判所が当事者・利害関係者の言い分や調査により、具体的な分割の決定をします。
家庭裁判所の調停等による遺産分割決定等の後に預金の名義変更をする場合は、調停に関する家庭裁判所の確定判決を証明する書類が必要になります。
調停で確定した場合には家庭裁判所の調停調書謄本、審判で決定された場合は、家庭裁判所の審判書謄本となります。


ケース⑤ 裁判上の和解による和解調書がある場合

裁判上の和解とは、民事裁判の手続きの中で、当事者がお互いにその主張を譲り合って紛争の解決に向けた合意を形成することにより、判決によらず裁判を終わらせることです。
裁判上の和解は、紛争解決に向けた当事者同士の任意の合意ですが、最終的に裁判所書記官がその和解を調書に記載することにより、裁判所の言い渡す判決と同じ効力が与えられます。
この調書を『和解調書』および『確定証明書」といいます。
裁判上の和解による和解調書がある場合に預金の名義変更をするときは、裁判所の確定判決を証明する書類である和解証書謄本および確定証明書が必要になります。


ケース⑥ 遺言による特定受遺者が申し出る場合

遺言による特定受遺者が申し出る場合、特定受遺者であることを証明するために遺言書またはその写しが必要となります。
銀行によっては、遺言書の原本を確認することもありますので、預入先の銀行へ事前の確認をお奨めします。
遺言書が自筆証書遺言の場合、家庭裁判所の検認証明書が必要となります。
また銀行では、遺言書の全文があり、日付が記載されていることおよび遺言書の署名押印がしていることを確認します。


ケース⑦ 相続財産管理人が申し出る場合

相続財産管理人は、相続人の存在、不存在が明らかでない場合や相続人全員が相続を放棄し相続する者がいない場合に、利害関係人または検察官の請求によって、家庭裁判所により選任されます。
相続財産管理人は相続財産を清算して国庫に帰属させることになります。
また相続人全員で、相続財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐ『限定承認』を選択した場合、相続人のうち1名を相続財産管理人として選任してもらいその者が以後の手続きを行います。
相続財産管理人が申し出る場合において預金の名義変更を行うときは、相続財産管理人を証明するために相続財産管理人選任の審判書謄本や限定承認申述書謄本が必要となります。

次回は、『銀行の貸金庫を開けるとき』について、お話させていただきます。



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Posted by 荒木財産FP at 18:30│Comments(0)相続情報
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